三パパ日記

涼しかったり暑かったり
  [ 生きる意味 ]
2015-06-03(Wed) 10:35:45
あん
河瀬直美監督の作品を実は一度も観たことがなかった。
作品の数々の名は知っている。
興味をそそられたこともあったのに観なかった。
食わず嫌いともちょっと違うのだが、何故か観る気持ちが起こらなかった。

と言うことで初の河瀬直美監督作品

「あん」

観てきました。

ごつんごつんと大きな音を立てて廊下を歩く男の姿。
淡々とその後ろ姿を追いかけるキャメラ。
自由なキャメラワーク、そしてグランドノイズの大きさに、あ~そうかこういう作風なのかと開始早々すぐに分かった。
カチッとした撮影法や音の乗せ方に慣れている人にはちょっと違和感があるかも知れないが、私は嫌いではない。
むしろ好きな方だ。
そして何より役者に「芝居をさせない」演出。
3人の主人公がそれぞれその人物にしか見えない。
どら焼き屋の主人千太郎(永瀬正敏)
元ハンセン病患者であり、あん作りの名人吉井徳江(樹木希林)
そして店の常連である中学生のワカナ(内田伽羅)

あざとい説明調の画は極力避け、決め撃ちではなく流れに任せる画作り。
なるべくカットを割らないその手法はある種の緊張感を生みだしている。
そして何より役者達の演技を邪魔していない。
あと、音も非常に効果的だ。
画の中に音が溢れている。
現実世界の音はそういうものだ。
その音が普通に聞こえているのに、セリフが良く聞こえる。
何もかもごく自然であるが故、観客はその世界に入り込みやすい。

作品のテーマは非常に重いものです。
でもこの作品の奥底に流れる「優しさ」のようなものが救いになっています。
そして、決して取り戻せない過去より、今を、そしてこれからをどう生きていくのかがじんわりと染みこんできます。
吉井徳江のセリフにこうあります。
「ねえ、店長さん
 わたしたちはこの世を見るために、聞くために生まれてきた。
 だとすれば、何かになれなくてもわたしたちには生きる意味が、あるのよ」
生きるって事は難しい。
でもそこに意味はある。
吉井徳江を演じた樹木希林さんのこのセリフが耳について離れない。

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